PORTFOLIO

HOSEN

寶千

『こんな感じになったらいいなあ』『本当にこんな風にできるの?』この場所で戦後の焼け跡から50年以上の歴史を持つ中華料理店の店主は、私達のデザイン提案のCGを見ると信じられないと言いながらも期待に満ちあふれた表情を見せてくれました。平屋建ての旧店舗があったこの土地の所有者が12階建てのビルを建てることとなり、その新しいビルの1Fにテナントとして新装オープンさせるという計画です。ロケーションはJR川崎駅前、シネチッタの東南に隣接する絶好の商業立地。50年の歴史を一つの区切りとした心機一転の思い切った計画です。

 

インテリアデザインのイメージは、『お酒も飲めるバーライクな雰囲気。宴会のお客様にも予約して頂けるよう落ち着きと寛ぎの感じられる空間』です。従来の『食べたらすぐ帰る詰め込み型のせまいテーブルの店』からは脱却し、食事やお酒をゆっくりと楽しめるようゆとりのある空間を創ろうという事となり、デザインワークが始まりました。そのプロセスでは『来店するお客様のさまざまな人数に対応できるフレキシブルなテーブルレイアウトにしてほしい』『少し奥まった位置にあるエントランスを少し遠くからもよく見えるようにデザインしてほしい』などの種々多様の要望が出てきますが、それらは提案と打ち合わせを繰り返す中でひとつひとつがクリアーされて行きます。

 

デザインのイメージを考える上で最も注意したことはコテコテになりがちな中華料理店特有の装飾をどうデザインに取り込むか…..ということでした。ある程度の中華的な雰囲気は料理の一部と言って良いほどの必然性はあると思われますし、下手に偽物っぽい装飾で品格を失うことのないようにしなければならないからです。ここでは中華的な雰囲気を出すための過剰な装飾部材や朱や緑の極彩色を大幅に整理し、中華料理とお酒を楽しむために最低限必要なものだけをシンプルでゆとりのある空間に取り込んでゆくという方法によってデザインされています。結果として静的なインテリジェンスを感じさせる日本人好みの空間を作ることができたのではないかと思います。

ページトップへ